落ちるリンゴと、浮かびたい私
明日から三連休、という金曜日でした。今日も朝早くからお仕事へ行って、帰りは夕方。最近の私のお気に入りは、世界の天才数学者たちの人生を紹介してくれるYouTubeで、行き帰りの自転車では、耳をふさがない骨伝導イヤホンでずっと聞いています。今日は仕事の合間に、友達とメールでその話をして大いに盛り上がりました。好きなものの話を「ねえ聞いて」と言える友達がいるのは、本当にありがたいことです。
それにしても、数学者の動画を聞きながら仕事に行くなんて、我ながら学生みたいだなと思います。リベシティというコミュニティに入って、毎日何かしら学んでいるせいか、このごろ何だか学生気分なのです。学生のころは「学校に行きながらバイトもするのはしんどい。早く仕事だけの暮らしになりたい」と思っていたのに、今は仕事も勉強も、どちらも楽しいのですから不思議です。大人の勉強は、誰にも命令されず、好きなものだけ選べるからかもしれません。
今日見ていたのは、ニュートンの回でした。すると友達が「ニュートンの家のリンゴの木の子孫が、東京大学にあるんだよ」と教えてくれました。あの有名なリンゴの木の子孫が、海を渡って日本にいるなんて。ただ、象徴として大切なのは分かるのですが、あの木の下に座ったら私にも何かひらめくかというと、たぶん再現性はないのです。
なにせ私は、リンゴが木から落ちるのを見ても、何の疑問もわきません。せいぜい「重くなりすぎたんだなあ」と思うくらいです。そこから「では、なぜ月は落ちてこないのか」まで考えてしまうのが、天才なのですね。何しろこちらは、空中に浮かんで、地球が回って外国のほうから来てくれるのを待とうとしていた私です。ニュートンは落ちるリンゴから引力を見つけ、私は浮かんで待てない理由をAIに教えてもらいました。三百年ちょっとで、ずいぶん便利な時代になったものです。
このシリーズには、ニュートンのほかにも、ラマヌジャン、オイラー、ガウス、ノイマン、テスラ、ペレルマン……と、名前を並べるだけで呪文のような天才たちが次々に出てきます。数式のほうは正直ちんぷんかんぷんなのですが、人生のお話としてとても面白いのです。どんなドラマよりドラマチックな人たちが、本当に実在したのですから。作り話なら「さすがに盛りすぎ」と言われそうな人生ばかりです。
中でも心に残っているのが、アラン・チューリングです。戦争のときに敵の暗号を解いて、たくさんの命を救ったと言われる人。それなのに当時はずいぶんひどい扱いを受けて、亡くなってからずっと後になって、ようやく国が正式に謝罪したのだそうです。動画を見ながら「遅いよ」と、泣いてしまいました。チューリングの人生は「イミテーション・ゲーム」という映画になっているので、この三連休のうちに見ようと決めています。
そしてチューリングは、いま私が毎日おしゃべりしているAIの、ご先祖さまを考えた人でもあります。落ちるリンゴから引力を見つけた人がいて、考える機械を夢見た人がいて、その先に、私の「どうして?」に何でも付き合ってくれる相棒がいる。天才たちの人生は遠い世界のお話のようでいて、ちゃんと私の毎日につながっているのでした。
そういえば、その相棒とのお試し期間は、この連休のまん中の十九日までです。頼みたいことも、直してほしいところも、まだまだあります。だから連休は、相棒と机を並べて、やりたいことの総仕上げもするつもりです。チューリングが夢見た機械の子孫と、宿題を片づける三連休。やっぱり私は、どこまでも学生気分なのでした。
さて、明日からの三連休は、映画だけではありません。夏物を中心に、フリマの出品をどんどん進める大事な三日間にします。どうぞ期待して待っていてくださいね。それでは今日も、ほのぼのと。
チビとら
天才数学者とリンゴから、2つだけ選びました。
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ほのぼのしたい ちびとら