弟をカラスに連れ去られ、雨の中一人ぼっちになったトラ。お腹もすいて、どこへ行けばいいかもわからないまま歩き続けました。
第3話 トラ、保護される

やがてトラは、食べ物のにおいに引き寄せられて鶏小屋に迷い込みます。
「ねえ、弟を知りませんか。黒い大きな鳥に連れて行かれちゃったんです」
鶏たちに向かってそう鳴いてみるトラ。でもそのとき、大きな手がトラをつかみました。

鶏小屋のおじさんと、その子どもでした。
「かわいそうに、迷子かい」
おじさんはトラを見て、困った顔をしました。「うちには犬もいるから、猫は飼えないんだ。でも、このままにはしておけないな」
そして——トラは保護施設へ連れて行ってもらいました。

ケージの中でトラは静かに座っていました。弟はどこにいるんだろう。もう会えないのかな。そんなことを考えながら。


そのとき施設に、もう一匹の子猫が連れてこられました——。