保護施設にやってきたトラとクロ。同じ日に、別々の場所から連れてこられた2匹が、初めて顔を合わせました。
第5話 運命の出会い

目が合った瞬間、2匹はそれぞれ、心の中で同じことを思いました。
トラはクロを見て——「この子は、弟に似ている」と。
クロはトラを見て——「この子は、お母さんに似ている」と。

それからクロはいつもトラのそばにいるようになりました。人間には近づかないクロが、トラにだけは寄っていく。施設のスタッフも不思議そうに見ていました。

そしてクロには、もうひとつ不思議な習慣がありました。
ご飯の時間になると、クロは自分のご飯をトラの前に差し出すのです。トラが食べ終わった残りを、自分で食べる。毎日毎日、そうしていました。
トラも施設のスタッフも、その理由がわかりませんでした。
ある夜——トラはついにクロに聞いてみました。